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2018/09/22

『玉繭の道』仁志耕一郎 感想

玉繭の道
玉繭の道
posted with amazlet at 18.09.22
仁志耕一郎
朝日新聞出版 (2013-10-18)
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親徳川派商人として有名な茶屋四郎次郎の物語。

舞台となるのは本能寺の変直前から家康の晩年まで。
信長から秀吉へ天下人が移り変わる動乱の時期を
武士とは少し違う視点で見せるという感じでしょうか。

時代が時代だけにある程度の面白さはあるのですが、
肝心の茶屋の活躍はというと微妙でしたね。
武士の時代を脇役である商人視点で描いてはいるのですが、
あくまで脇役であって商人が主人公というわけではない。
茶屋自身も状況に振り回されている場面が多く、
物語としての爽快感はあまり感じられなかったです。

茶屋自身が元武士ということで武士と商人との間で
迷う感情を書こうとしていたのは分かるのですが、
迷っている期間が長過ぎて途中で飽きが来たのが痛い。
結果的にひたすら右往左往している
小説という印象が強くなってしまいました。
あと、せっかく茶屋という珍しい主人公を選んだのなら
彼の幼少期から掘り下げて欲しかったところです。

茶屋という主人公チョイスにひかれて読んでみたものの、
全体的に物足りなさの残る作品でした。
タイトルの玉繭も最後にちょこっと出るだけでしたしね。