2018/02/19

『ぼぎわんが、来る』澤村伊智 感想

ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)
澤村伊智
KADOKAWA (2018-02-24)
売り上げランキング: 1,418

謎の怪異「ぼぎわん」と戦うホラー小説。

まず、ぼぎわんという響きが不気味なのがよい。
平仮名の意味不明な言葉って独特の不気味さがあります。

怪異の接近を現代的な家族問題と絡めたのも面白い。
一見幸せそうな家庭でも現代風の子育て問題を抱えていて、
その隙に怪異が入り込んでくるという理屈は納得できる。
…と見せかけて実際強いのは昔ながらの呪術だったりしますが。

得体の知れない不気味さがよく出ている話ですが、
数々の犠牲者を出しつつも最後に霊能者と大バトルして
何とか勝利する、という話なので読後感は明るめです。
勝利しつつも新たな怪異の芽も描写して
まだ終わっていない感を出すというオチもお約束。

ただ、ラストの大バトルが割とアクション映画的なので
爽快ではあるものの不気味さは薄れてしまったかな。
エンタメとしては面白いんですけど、
ホラーとしては少し評価が下がるところかもしれません。

とはいえ、終盤まで不気味さで話を引っ張る手腕は
とてもこれがデビュー作とは思えないほどでしたし、
ラストの大バトルにしても自分としては楽しめました。
この方の次回作が楽しみです。