2016/10/22

『千恋*万花』 感想

公式はこちら

大手メーカーゆずソフトの最新作である
『千恋*万花』の感想です。

実家の旅館を手伝うため田舎に帰ってきた主人公が
うっかり伝説の刀を抜いてしまったせいで
怨霊退治に巻き込まれていくというのが本作の導入部。
基本的にはドタバタコメディ重視な作品ではあるのですが、
怨霊関連のシリアスが結構な頻度で挟まれてくるため、
話のテンポが微妙に感じる部分もある作品でした。

とはいえ押さえるべきところはしっかり押さえられています。
各ヒロインの可愛さは十分に伝わってきましたし、
サブヒロイン2人の個別ルートやおまけエッチも完備という
全体構成のスキのなさは流石はゆずソフト。
シーン数も十分でしたしエロゲーの教科書的な作りですね。

しかし共通ルートではいい感じにコメディしていたのですが、
個別ルートの内容はちょっと評価が分かれそう。
茉子ルートは怨霊ネタとイチャラブ要素がいい感じで
絡められていて、最後まで素直に楽しめる良ルートでした。
レナルートは意外にも設定面での掘り下げが重視されていて
これまた最後まで読み応えのあるルートだったと思います。
レナルートでだいたい分かってしまうのは一種の罠ですけどね。

逆にメインと思われていた芳乃ルートの設定掘り下げは少なめで、
発売前に感じていたほどの看板ヒロイン感はなかったです。
イチャラブにしても茉子の方が攻めていた印象ですし、
もう少しプッシュしてあげても良かったのではないかと。
ムラサメちゃんはちょくちょくシリアスの邪魔されて
イチャラブに集中できなかったのが惜しいです。
特にムラサメちゃんは怨霊以外にも町おこしネタが入ってきて
それがムラサメちゃんの可愛さに繋がったかというと
あまり関係ないというモヤモヤが残る構成だったのが残念。

ここらへんはシリアス設定の扱いに苦戦した感がありますが、
逆にシリアス設定抜きのサブ二人のルートはというと
主人公の鈍感さでなんとか話を引っ張っている状況なので
シリアス設定が不要とは言い切れないのが難しいところです。
まあこういう物足りなさもゆずらしいところではあるのですが。


まとめ。
引っかかるところはあるもののそこそこ満足できる作品。
特にムラサメちゃんルートの出来などは不満が多いのですが、
それでもムラサメちゃんの可愛さをある程度引き出していますし、
なんだかんだで減点よりも加点の多い作品だったと思います。

ただ、設定が妙に凝っているせいで個別ルートの終わり方に
スッキリしないものが残ることも多かったですし、
どうせならグランドルートを用意した方が良かった気も。
芳乃ルートが思っていたより軽い扱いだったことも
読後感がスッキリしない要因のひとつかもしれません。
やはり看板ヒロインにはしっかりしたルートが欲しかったです。

エロゲーとしてはヒロインの可愛さをよく出せている反面、
エロゲーでよくある短所も適度に盛り込まれていて、
そういう点ではひとつの基準となる作品なのかもしれません。