2016/10/12

『マリアビートル』伊坂幸太郎 感想

マリアビートル (角川文庫)
伊坂 幸太郎
角川書店 (2013-09-25)
売り上げランキング: 15,751

新幹線の中に殺し屋が集まって殺し殺されする物語。

まず新幹線の中という舞台設定が面白い。
電車の中での殺人事件を扱った作品ならともかく、
こういうドタバタと殺し合う作品は珍しいかも。
人が死にまくっている殺伐とした作品なんですけど、
新幹線の中で四苦八苦していることもあって
コミカルな印象が強くなっています。

話自体はご都合主義に頼る展開が多かったのですが、
そもそも強運中学生と不運な殺し屋が集まっている時点で
運任せという批判を封じてしまっているのはずるい。
まあ、一部やり過ぎに感じられる部分はありましたけど、
全体的に見ると許せる範囲だったと思います。

ただ、キャラとしては出番の多い王子や七尾よりも
檸檬と蜜柑、木村(おじいさん)が好きでしたね。
特に檸檬と蜜柑は本好きとかトーマス好きとか
雑なキャラ付けではあるのですが、微笑ましかったです。
逆に王子は本当にむかつくキャラでした。
こういう悪意の権化みたいな子供は敵としては好きですが、
やっぱり読んでいるとむかついて仕方がないです。
それだけ伊坂さんが上手く書いたってことでしょうけど。
自分としてはしっかり死んで欲しかったところですが、
そこをボカすのが伊坂さんらしさな気もしますね…
でもやっぱりきっちり始末して欲しかった!

前作であるグラスホッパーは持っていたりするのですが、
ほとんど忘れているので読み返したくなりました。