2016/08/31

『白日の鴉』福澤徹三 感想

白日の鴉
白日の鴉
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福澤 徹三
光文社
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痴漢冤罪を晴らすために中年サラリーマンと老弁護士、
更に新米警官がタッグを組んで戦う警察小説。

とりあえず思ったのは痴漢冤罪こえーということ。
一度捕まってしまうと逆転が困難で
しかも目撃者まで出てしまうと完全に詰み状態。
今回の場合は被害者と目撃者がグルだったという
証拠を見つけることでギリギリ逆転できましたけど、
これがもし目撃者の見間違いなどで証言された場合は
本当に逆転の手がない状況になってしまうのでは。
こうなると電車内に防犯カメラを設置して欲しくなります。

そんな痴漢冤罪の怖さを思い知らされる作品でしたが
物語としても感情移入しやすくて面白かったです。
警察や囚人に散々脅されながらも歯を食いしばって耐え続ける
中年サラリーマンの姿は素直に応援したくなりましたし、
そんな中年サラリーマンの姿を見て、
仕事にやりがいを感じなくなっていた老弁護士が
弁護士としての人を救う本分を思い出す流れは熱いです。
新米警官が組織の圧力にビビりながらも
正義感を捨てられずコソコソ調査する姿にも共感できる。
冤罪事件だけあって警察は敵サイドなのですが、
新米警官の同僚や同期たちも敵サイド…と見せかけて
実はいい奴らだったのにはやられましたね。

勝ち目の見えない冤罪事件の話だけあって
読んでいても辛い状況が続く内容ではあるのですが、
それだけに最後の大逆転でのカタルシスが凄い作品でした。