手を出したものの感想を書き溜める場所
『死んでたまるか』伊東潤 感想
死んでたまるか
死んでたまるか
posted with amazlet at 16.06.05
伊東 潤
新潮社
売り上げランキング: 234,802

榎本武揚、土方歳三と並んで
戊辰戦争を最後の最後まで戦い抜いた大鳥圭介の物語。

大鳥圭介といえば有名なのがその負けっぷり。
もちろん、この本でもその負けっぷりは健在で、
主人公としては珍しいぐらいの連戦連敗を見せてくれます。

フランス式の戦術を見につけたと豪語した割には
新政府軍相手にほとんどいいところがなく、
押されるばかりの姿はお世辞にもかっこいいとは言い難い。
しかしその不屈っぷりが人を惹き付けるのも確かで、
しぶとく前に進もうとする姿には元気付けられました。
土方をはじめとする武士たちが大鳥のしぶとさのおかげで
武士の意地を見せられたと語るシーンは胸熱です。

実際、函館戦争がなければ戊辰戦争は
もっとあっさりとした印象になっていたでしょうね。
榎本艦隊や五稜郭なんてもっと地味な存在でしたでしょうし、
土方の死に場所にしてもどうなっていたことやら。

ちょっと残念なのはどんでん返しの少なさですね。
伊東さんは短編の方では一捻りした結末が多いのですが、
今回は意外性がなかったのが物足りなかったです。
そこだけが残念ですが、小説としては読みやすいですし、
幕末の混乱と熱気を感じられる作品だったと思います。

テーマ:歴史小説 - ジャンル:小説・文学