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『草原の風』宮城谷昌光 感想
草原の風(下) (中公文庫)草原の風(下) (中公文庫)
(2013/11/22)
宮城谷 昌光

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歴史上屈指のかっこいい二つ名を持つ光武帝の物語。
光武帝という名前が凄く有名な割には
この人を主人公にした物語は少ない印象がありますね。
これは劉邦と項羽のような美味しい素材ではないからか。

話としてはチート主人公が仲間を集めて大業を成すという
いつもの宮城谷小説といえば分かりやすいでしょうか。
やることをやり切って死んだ人物だけあって
読後感も爽やかなものになっています。
香乱記などは読む前に心構えしないと厳しいですが、
この本の場合は割と万人向けと言ってもいいでしょう。

楚漢戦争については大分掴めて来たんですけど
ここら辺の時代についてはほとんど知らなかったので
最初から最後まで新鮮な気持ちで楽しめました。
恥ずかしながら更始帝の名前すらこれが初耳かも。
当たり前ですが革命期には様々な勢力が乱立するわけで、
こういうゴタゴタはやっぱり見てて面白いですね。

ただ、光武帝の対抗勢力が有象無象ということもあって
後半の消化試合感が強かったのは残念。
戦争ではそれなりに負けてはいるものの
描写はサラッとしていますし危機感は薄かったです。
敵側にも英雄が欲しかったところです。
盛り上がりのピークは兄である劉縯の死亡前後ですかね。
この辺りの緊迫感はなかなかのものでした。

テーマ:歴史小説 - ジャンル:小説・文学