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『将門』矢野隆 感想
将門(まさかど)将門(まさかど)
(2013/09/14)
矢野 隆

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平将門といえば日本史上ではかなり有名な人物ですが、
彼をメインにした作品が意外に少ないのは
その野望があまりに大それたものだったからなのか。

この本の将門は良くも悪くも一本気な青年で、
そんな彼の親友でありライバルでもある平貞盛との
関係を掘り下げながら物語は進んでいきます。
武の将門、知の貞盛として平氏を守り立てていこうと
誓い合った二人が将来敵対することになる…というのは
漫画や小説ではお約束の展開ではあるのですが、
自分としてはこういう話は大好物なので問題なし。

将門を主人公としながら、将門を偉大な英雄ではなく
粗暴だけど愛嬌のある男として描写しているのは面白い。
感情に流されすぐ切れてしまうところを見ると
地方の一豪族程度が相応の人間だとは思うのですが、
その馬鹿正直さはどこか応援したくなる魅力があります。
長生きできないタイプではありますが…。

貞盛のダークヒーローっぷりも良かったですね。
親友に父を殺され許したい気持ちと許せない気持ちの
板挟みになり鬱々としていくところなんてたまらんです。
将門との決着シーンは涙なしには見られません。

他にも将門の幼馴染にして忠臣である種親や
百足退治で名高い藤原秀郷など、
燃える男描写に力の入っている小説でした。
歴史小説というよりは少年漫画に近いノリですが、
やっぱりライバル設定がある物語は読んでいて燃えますね。

テーマ:歴史小説 - ジャンル:小説・文学