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『バカをあやつれ!』戸梶圭太 感想
バカをあやつれ!バカをあやつれ!
(2006/10)
戸梶 圭太

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とある田舎町で町長と警察署長が手を組み
町をスラム化させる計画を発動するというお馬鹿小説。
基本的に勢いだけで突っ走るお話なのですが、
スラム化計画には感心させられる部分もあったり。

ショッピングモールやパチ屋を誘致して
昔からあった田舎の店舗と人間の関係を破壊し、
モールやパチ屋に人が集まってきた時点で
この二つの営業を停止して行くところのなくなった
暇人犯罪者を大量生産するという流れには感心しました。
まあ暇人が即犯罪に走るところはファンタジーですが、
モールとパチ屋で人を支配するという発想には
現実でも思い当たる節があったりするのが怖いところ。

犯罪者と性病持ちを大量に解き放つというのは
治安悪化目的という点で分かりやすい方法ですけど、
戸梶さんお得意の豊富な下品描写のおかげで楽しめます。
犯罪者を集める際の力技っぷりもここまで来ると痛快。
ショッピングモール誘致が策略サイドだとすると
こっちは暴力サイドという感じですかね。

町長も警察署長も最後まで好き勝手やってますし、
話のオチも出鱈目でお馬鹿な小説なのは確かでしょう。
ただ田舎描写に関しては頷けるところもあったりして
そこがまた絶妙に嫌な感じを与えてくれたりもするのです。
社会派小説というには軽くて下品で疾走感がある、
というのは戸梶さんの作品の特徴の一つでしょうね。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学