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『災厄』周木律 感想
災厄災厄
(2014/05/31)
周木 律

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四国で原因不明の大量死が発生。
人間も動物もことごとく死に絶える不可解な現象を前に
厚労省キャリアである斯波はパンデミックを疑うが…。
という感じの定番の展開から始まるパニック小説です。

この手の話は作中の謎のインパクト勝負な所がありますが、
その点、本作の掴みはなかなかのものだったかと。
被害者がほぼ即死という状況はやっぱり恐ろしいですね。
パニック小説では被害者がもだえ苦しむような展開が
多い気がしますが、その逆というのは新鮮かも。

その劇的な症状ゆえにテロ説も出たりして
それを支持する警察と感染症を疑う厚労省との間で
軋轢が生まれたりするのは面白かったですし、
真相の意外性もなかなかのものだったと思います。

ただ、パニック小説には付き物の
人間ドラマの方はあっさりし過ぎていた感があります。
出世の話や女の話といった災害に対しては小さ過ぎる話は
人間らしさを描写する道具としては定番のものですが、
災害の話のテンポを阻害することがあるのも確か。
この作品の場合は大量死の謎が魅力的過ぎて
人間ドラマパートにいまいち感情移入できませんでした。
エピローグの続編の前振りっぽい描写も蛇足だったかな。

とはいえ話の展開は面白かったですし
続編が出たら出たで楽しんで読んでると思います。
しかし四国が酷い目に合う小説は前も見た気がしますけど
地理的にも人口的にもお手頃感が凄いですね…。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学