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『殺意の構図 探偵の依頼人』深木章子 感想
殺意の構図 探偵の依頼人殺意の構図 探偵の依頼人
(2013/12/14)
深木 章子

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東京都三鷹市で起こった放火殺人事件。
逮捕された容疑者から弁護の依頼を受けた依田は
容疑者の不審な態度に疑問を抱きつつも無罪を勝ち取るが…。

という感じで、一度判決が確定すると同じ事件での罪は
問われなくなる「一事不再理」を扱ったミステリー小説です。
こういう切り込みの小説は珍しいので新鮮ですね。

話の構成としては複数の人物の視点から描写するタイプ。
この人物の切り替えタイミングや選び方が実に絶妙で
最後まで興味を惹かれながら一気に読むことが出来ました。
怪しいと思った人物の視点から見ると事件の構図が
がらりと変わってくる展開はなかなか爽快感があります。
最後まで読むとこの事件の殺意の流れが分かるという
タイトルに相応しい作りだったのは素晴らしい。

しかし基本的にはカッチリと作られている作品ですが、
それ故にロジック優先過ぎたように見える面もあります。
ラストの探偵の推理は緻密で隙の少ないものですが、
そこに至るまでの細かい手がかりを集めるのは
一探偵の能力では無理があるのでは、という気も。
読者=神の視点でなら推理可能な情報量なのですが、
登場人物が知れる情報量ではないように感じられました。

とはいえ、話の構図は面白く満足度の高い作品でした。
サブタイトルの回収の仕方も好みでしたしね。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学