2014/10/15

『ジューン・ブラッド』福澤徹三 感想

ジューン・ブラッドジューン・ブラッド
(2012/11/22)
福澤 徹三

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良くも悪くもB級極道アクション小説。
心理描写やストーリー展開はご都合主義が多く、
ツッコミどころがあちこちに散らばっている状態です。

とはいえ本作のメインは人を殺しまくりながらの逃避行。
ヤクザに追われながら東京から沖縄まで逃げるのは
ご都合主義の助け無しには不可能なわけで、
アクション小説として割り切れば十分楽しめます。
色々な地方都市を舞台に様々なアクションが見れますし、
手に汗握るシーンも多かったです。

しかしこの作品で最大の特徴は主人公を追う殺し屋。
主人公であるヤクザはタフで戦闘力が高く
それでいて情に熱いという分かりやすいキャラですが、
彼を追跡する殺し屋がデタラメの塊みたいなヤツで、
主人公以上に片っ端から殺しまくってるんですよね。
主人公以上に主人公補正を持ってる悪役というべきか。
それでいて変な拘りを持っているところに愛嬌がある。

主人公サイドの人間関係もハードボイルドの
王道という感じで決して悪くないのですが、
途中から殺し屋のデタラメさに食われた感があります。
ここまで突き抜けてくれると逆に気持ちいい。
この殺し屋の登場する話をもっと見てみたいぐらい。
無茶も行き過ぎると魅力になるという見本ですね。
思っていたのとは別方向ですが、楽しめた作品でした。