2014/05/18

『隻眼の少女』麻耶雄嵩 感想

隻眼の少女 (文春文庫)隻眼の少女 (文春文庫)
(2013/03/08)
麻耶 雄嵩

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隻眼の美少女探偵が活躍するミステリー。
設定的には、妙な伝説の残る山奥の秘境で
連続殺人が起こるという定番のものですが、
美少女探偵のキャラ付けのせいか
どこかラノベに近いような雰囲気も。
まあ、ミステリーのキャラはオタク向けな
性格をしていることが少なくないのですが。

ミステリーとして仕掛けの多い作品なので
内容について語るのは難しいですけど、
麻耶さんの過去作を読んだことのある人なら
思うところのありそうな作品じゃないかと。
事件のトリックが凝っているのはもちろん、
話の構造も凝っていて読み応えのある作品。
状況を二転三転させる手腕は流石ですね。

ただ、麻耶さんの過去作と比べると
トンデモ展開は抑え目だったような気も。
ネタばらしのシーンも普通に犯人を追い詰めて
普通に決着がついてしまったという印象です。
まあ、トンデモ展開は人によっては壁に本を
投げつけることになる諸刃の剣ですけど、
自分としては入れて欲しかったかな。
とはいえ、抑え目なおかげで万人向けに
なっていると言えなくもないのですが。

仕掛け自体はよく考えられているものの、
どこか盛り上がりに欠ける作品でした。
夏と冬の奏鳴曲と比べると、ですけどね。