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『喪国』五條瑛 感想
喪国<Revolution> (R/EVOLUTION 10th Mission)喪国 (R/EVOLUTION 10th Mission)
(2012/11/28)
五條 瑛

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革命シリーズ完結編。
何気に10年以上付き合ったシリーズですが、
その結末には納得できる部分もできない部分も
ありましたけど、ひとまず一区切りです。

かつて女神と呼ばれたドゥルダが嫉妬に狂って
自滅していく姿は少し切なかったですね。
愚かな女ですし当然の末路ではあるのですが、
個人的には好感の持てる愚かさでした。
絶対にお近づきにはなりたくないですけど。

ドゥルダの手引きによって引き起こされた暴動。
一見、多国籍民の蜂起に見えて実は国粋主義者や
自衛隊の計画通りなのはこちらとしても予想通り。
ただ、アスラン教団の介入にはがっかりです。
個人的にもう終わった団体だと思っていましたし
ここで出てこられてもなんだかなぁって感じ。
セレブ子女が多くて警察が手を出しにくいという
理屈は分かりますけど、やっぱり場違いでした。

大川はやっぱ死ななかったか。ファック!
ただ、逃げ続けるという結末はこいつらしい。
亮司を人質にするところも清々しいほどの
クズっぷりでホント、一貫したクソ野郎でした。
人間としては最低ですけどいいキャラですわ。

旧世代の人間として根岸が死んだのは予想通り。
でも嘉瀬が生き残ったのは少し予想外でした。
若さを羨むような発言といい死亡フラグが
建っていた気がしたんですけど、なんだかんだで
まだまだ野心を捨てていないところが
新世代側にカウントされたってことですかね。
個人的には好きなおっさんだったから嬉しい。
殺し合うために生き残るって考えはいいなぁ。

鳩も生き残ってくれてよかった。
本人は死にたがりですけど、こういう奴こそ
さっさと死なせずに天寿を全うさせるべき。
そしてマルイチみたいな爺さんになればいい。
主人公にはなれないけど外伝の主人公には
なれるような、最後までしぶとい男でした。

とりあえず目的は達成したサーシャ。
といっても金を手に入れたとしても祖国を
復興できるはずもなく、その代償として
これからも「革命」を目指し続けるようです。
この考えは後ろ向きなのか前向きなのか。
こいつは絶望しても自棄にならずに
新たな目標を見つけるタイプなんだろうな。

こうして見ると革命の結末は微妙でしたけど
キャラの結末は概ね満足って感じですかね。
どいつもこいつも自分の物語を持っていて
群像劇として最初から最後まで楽しめました。
それゆえに、各人が好き勝手に動き過ぎて
一点に向かえなかった感もありますが…
楽しめたシリーズだったことは確かなのです。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学