2013/06/14

『呉越春秋 湖底の城 第一巻』宮城谷昌光 感想

呉越春秋 湖底の城 第一巻呉越春秋 湖底の城 第一巻
(2010/07/27)
宮城谷 昌光

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宮城谷さんが今回主人公に選んだのは伍子胥。
呉を一大強国へと成長させた名臣にして、
死者に鞭打つほどの激情家でもあります。

第一巻で感じた伍子胥の印象は良くも悪くも
正義感の強い一本気な若者って感じですね。
よく出来た父や兄の教えや愛情を受けて
いい奴に育っているのですが、まだまだ
視野が狭く本人もそれは自覚している模様。

この巻の主な内容は部下を集めるための
武術大会と、孫武との出会いでしょう。
この先、伍子胥の頼れる部下となる人物達を
武術大会という形で見せたのは面白いです。
これなら各人の特技も分かりやすい。
朱毛さんの視力は便利過ぎるなぁ。

孫武の「兵法」の理論を伍子胥が
理解できないというのも興味深い描写。
誰にでも理解できる兵法を纏めるようという
孫武の思想の先進っぷりが実感できます。
訳がわからないなりに何だか凄そうだと
評価する伍子胥もなかなか大物なのですが。
二人の出会いが呉を覇者へと導くと思うと
なかなか感慨深いものがあります。

その他、楚の国上層部の腐りっぷりなど
伍子胥亡命フラグを立てつつ次回へ続く。
やっぱり宮城谷さんの中国物の空気はいいな。
湖底の城というタイトルも何だか意味深。
このペースだと完結はまだ先でしょうけど、
とりあえず2巻も読んでみます。