2013/04/17

『牢獄の超人』美達大和 感想

牢獄の超人牢獄の超人
(2012/11/22)
美達 大和

商品詳細を見る

うっかりで一般人を殺してしまった主人公が
刑務所生活を送るうちに更正していく物語。

主人公は最初は頭空っぽのヤンキーで、
人を殺したことへの罪悪感もないのですが、
刑務所の大物や姉の死と向き合うことで
少しずつ構成していくことになります。

前半は本当に酷い展開。
人を殺した後も量刑の重さや刑務所での
立ち回り、出所した後の生活ばかり気にして
まったく反省する様子がありません。
ただ、実際こういう人も多いんでしょうね。
反省している人でも、人を殺したという罪に
見合うほど考えている人は少ないでしょう。

そもそも相手が死んでしまっている以上、
どれだけ反省しても償うのは不可能。
姉の死によって初めてそのことを実感した
主人公は、刑務所の大物と対話することで
「償い」について考えていくことになります。

どれだけ反省しても殺人の罪は消えず、
一生苦しみながら生きていくというのは
結論としては納得できる落としどころ。
遺族からは許されないのも当然と。
ただ、ここへ至るまでの問答はちょっと
新鮮さに欠けてて退屈感があったかも。
深さでは後半なのですが、面白さでは
前半の刑務所アウトロー生活が上ですね。

しかし、本当の更正とはこういうこと。
刑務所でももっと問答を増やせばいいのに。
と思いましたけど、今やってもすぐに
対策参考書とか出るんだろうなぁ。