『ビター・ブラッド』雫井脩介 感想
![]() | ビター・ブラッド (幻冬舎文庫) (2010/08/05) 雫井 脩介 商品詳細を見る |
新米刑事である主人公が、ベテラン刑事である
親父と組んで事件を追う警察ミステリー小説。
情報屋の死の真相を調べていた刑事が殺され、
その謎を追っていくうちに警察内部への
疑いが強まっていくという流れは面白かった。
個性の強い刑事や情報屋が次々と出てくるので
最後まで飽きずにスラスラ読むことが出来ました。
ただ、街の裏側に迫るという本筋に対して、
主人公と親父の間にある歪な親子関係が
あまり上手く絡めなかったような気がします。
主人公はいい大人なのに高校生レベルの幼さで
親父を敵視していますし、親父も肝心な部分を
ぼかしまくるせいでいまいちスッキリしない。
最後の和解のシーンはほんのりしたんですけど、
それまでの主人公の態度が酷いんだよなぁ。
いっそのこと主人公の年齢を引き下げれば
親父への反発も受け入れやすかったと思います。
二つ名を持つ刑事や情報屋のランク分けなどは
ラノベとして使ったら面白くなりそうですし。