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『原子力宇宙船地球号』戸梶圭太 感想
原子力宇宙船地球号原子力宇宙船地球号
(2012/09/21)
戸梶圭太

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久々の戸梶さんだひゃっはーっ!
いやなんというか、例によってアレなお話でした。

日本の原発事故のせいで地球上には人が住めなくなり、
生き残った人類は巨大宇宙船で星間旅行をすることに。
そして戦犯である日本人は宇宙船の動力部(原子力)で
奴隷のように働かさせる…うん、この時点で酷いね。

そんな酷い状況ではまともな生活が遅れるはずもなく、
日本人同士で殺し合ったり殴り合ったり犯し合ったりと
その混沌さは北斗の世紀末が温く感じられるほどです。
いや殺伐とした下品さにかけては一流ですわ戸梶さん。

基本的な流れは物資を巡る内ゲバなので戦闘は多め。
もちろんグロシーンもてんこ盛りでした。
でも限られた物資で武器や砦を作る描写が面白いので
気持ち悪さよりも感心の方が強くなってしまった感。
漫画的な出鱈目さなんですけどそこがいいんですよね。
ロボが折れたシーンは不覚にも笑ってしまった。

序盤だけ見ると日本人叩きばかりなんですけど、
最終的には全人類がアレなことになるのは見えてるので
それほど不快感はないという不思議な状況に。
進化したスパコンが覚えたことが失敗の隠蔽というのは
人間に対しての強烈な皮肉なんではないでしょうか。

終盤はやっつけ感が強かったかも。
ストーリーとしては成り立っているんですけど、
妙にテキパキと畳まれたような印象を受けました。
まあ読んでいて若干ダレてきたところだったので
終わるタイミングとしてはちょうど良かったのですが。
でもとりあえずスッキリ出来たので満足です。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学