2013/02/03

『大図書館の羊飼い』 感想

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『大図書館の羊飼い』は好評発売中です。
もはやエロゲメーカーでは最大手と言っても過言ではない
オーガストの新作、「大図書館の羊飼い」の感想になります。

ハードな雰囲気が話題になった「穢翼のユースティア」とは違い、
今回はいつものオーガストらしいほのぼの学園物という雰囲気。
名物となっている後半の超展開も抑え目になっていますし、
全体的に地に足付いた学園物を意識しているのが感じられます。

そのせいか人間ドラマにはいつも以上に力が入っていた印象が。
キャラ同士の距離感や行動の裏に潜んでいるコンプレックスなど、
妙に細かいところまできっちり丁寧に書かれていたと思います。
玉藻のつぐみへの執着や鈴木の人生観は実に私好みな流れでした。

しかし心理描写は丁寧であるものの物語のスピードは遅め。
売りである部活動の内容にしても学園の雑用の域を出ないため、
分かりやすい盛り上がりには欠けていたような気がします。
超展開を薄めてしまったというのが裏目に出てしまったかな。
学園物にするにしても「お前が好きだぁぁぁ!!」みたいな
熱い展開があればこちらも盛り上がったと思うのですが…
主人公が冷静なせいでそうもいかないというのが難しいところ。
もうちょっと取り乱してくれても良かった気がしますけど。

羊飼いの謎については中盤であっさり明らかにされますし、
主人公の過去についても予想しやすいので意外性は少なめ。
設定や決着は王道だったんですけど、やはりそこへ至るまでの
引っ張り方と瞬間最大風速が弱かったのが惜しかったです。

ヒロインは全員可愛かったですし、サブヒロインにしても
短いながらもちゃんとルートを用意してくれた点は好印象です。
でも共通ルートに比べると個別ルートは短かったような気が。
まあ、どちらかというと共通ルートが長過ぎるという感じなので、
ボリュームが少ないわけじゃないのですが、ちと物足りない。
イチャラブが短かったことも個別を短く感じさせる要因ですかね。
一応、おまけシナリオはあるんですけどそれでもなぁ。
お気に入りキャラはヒロインでは玉藻、鈴木、小太刀、
サブで嬉野さん、望月会長という感じです。

あと地味な部分ではありますが、演出が凄く面白かったです。
カットインの使い方や影の当て方でこれだけできるんだなと。
背景に文字をドンッと出すのとかはそれほどコストをかけずに
インパクトを出せそうですし、他メーカーやって欲しいなぁ。
鈴木に言葉の槍が刺さる場面では笑いましたよ。

まとめ。
丁寧さが勢いを殺してしまった作品だと思います。
影のあるヒロインや羊飼いと言う設定、主人公の決着などは
今までのオーガスト作品ではトップクラスに好きなんですよね。
それだけに日常イベントの地味さが惜しい。

ただ、それでもいつもよりしっかりしたキャラを作ろうという
気概のような物は感じられましたし、そこは応援したいところ。
今回にしても物足りなさはあるものの、これだけの長さを
最後までプレイは出来ましたし、次回作も頑張って欲しいです。
作品の雰囲気や方向性に関しては私好みでしたし。

以下、ネタバレで少しだけ。

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