2012/12/05

『刑事魂』松浪和夫 感想

刑事魂刑事魂
(2011/04/12)
松浪 和夫

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かつて本部長に左遷された交渉人・三島。
しかし本部長の娘が誘拐されたことによって
誘拐犯との交渉の最前線に駆り出されることに。
そんな感じで誘拐犯と交渉人、更に隠蔽に走る
県警上層部の三つ巴のゴタゴタが描かれる一冊。

まず初っ端で誘拐事件が発生してから最後まで
しっかり緊迫感を持続しているのが見事。
三島も犯人の行動を色々予想しているのですが、
その上を行かれている焦燥感が凄いです。
先が見えない不安にゾクゾクさせられますね。

ただ、読んでいて疲れる面があるのも確か。
誘拐犯とのやり取りだけでなく警察内部での
権力争いがギスギスし過ぎていてしんどいです。
というか対立している時間だけ考えると
身内と戦ってばかりなんですよね。
そのせいで誘拐事件に集中できなかったです。

主人公の行動も無茶すぎだったかなぁ。
人質解放のためとはいえ、仲間や自分の家族を
犠牲にするというのはちょっと非人間的過ぎ。
そこを含めて刑事魂ということしょうけど、
個人的にはあまり好きになれないタイプです。

誘拐計画はかなり練られていた反面、
人物描写に少し物足りなさを感じる一冊でした。