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『彼女は戦争妖精』嬉野秋彦 感想
彼女は戦争妖精 9 (ファミ通文庫)彼女は戦争妖精 9 (ファミ通文庫)
(2011/08/29)
嬉野 秋彦

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1~9巻まで一気読み。
サブヒロインが大勝利するラノベとして
名前が挙がっていたので読んでみたのですが、
期待以上のものを見せてくれました。
古い作品ですしネタバレ気味で行きます。

ジャンルはバトルロイヤル物に当たるかな。
武器に変身する戦闘妖精を従える人間たちが
潰し合い、勝ち残ると願いを叶えられるという
これ系では定番の設定になっています。
少年漫画やラノベでは王道な設定ですが、
一番の特徴は主人公のクールさでしょうね。
喜怒哀楽自体は割と激しいのですが
しっかりと理性で制御しているタイプ。

この主人公、子供の頃に父親に捨てられ
母親に死なれたせいで大人びているのですが、
自分の境遇が厳しいせいで他人にも厳しいです。
敵だけじゃなく女の子相手でもズバズバと
正論で切り込むので不快に思う人もいそう。

ただ、基本的に責任感が強い真面目さんなので
私としてはむしろ好感の持てるキャラでした。
個人的にはどこが好きかよりもどこが嫌いか
ハッキリ言って欲しいタイプな私です。
だって欠点責められないと直せないんだもの。

登場する女の子は多くてハーレム状況を
作ることも出来そうな状況なのですが、
主人公がそっち方面にいかないように
軌道修正してくれるので安心して読めます。
変に希望を持たせずにバッサリ切るところは
そこらのハーレム主人公より誠実に見えます。
恋愛関係も含めて他人の感情にも敏感ですし。

それでいて目当ての女の子に対しては積極的。
例え2巻から登場するサブっぽい先輩相手でも
真面目に好感度を上げて普通にくっつきます。
先輩自身も真面目な努力型の万能人間ですし、
このカップルは素直にお似合いだと思いました。

先輩は美人で文武両道で完璧な人なんですけど、
逆にそこがサブヒロインっぽいんですよね。
理不尽な暴力や高飛車さのない真人間ですし、
登場するのも2巻からでしたし。
でもこの主人公はそんな先輩をちゃんと評価し、
しっかり愛してくれるのが素晴らしかった。
魅力的なサブヒロインが正当に評価されるのは
サブヒロイン好きとしてはすごいカタルシス。

先輩の唯一の欠点は愛が重いところですけど、
これに関しては私としてはご褒美でしたね。
普段は冷静過ぎるほど冷静で自分の愛が重いと
自覚して自制しているのにたまに漏れるのがね。
ラブレターの内容とかかなりエグくて
自分勝手なんですけどそこが凄く可愛いです。
その結果あんなことになってしまいましたけど、
最終巻での展開には少しだけ救われました。

あとは細かい所で好みの展開が多かったです。
幼女にチューしないと戦闘モードになれないとか、
綺麗ごとだけじゃなく直接手を汚すところとか、
孤独になるにつれて強くなっていく終盤とか。
サブキャラカプがあったのも良かったですね。
健二とまーちゃんは見てて癒されます。

まとめ。
端的に表すならブレない作品でしょうか。
主人公は最初から最後までかっこよかった。
基本的には冷静ですし、切れるシーンにしても
人として許してはいけない怒るべきシーンでした。
ただ、これだけ私と波長の合う主人公だけあって
世間での好き嫌いも別れているようですね。
他では見ない主人公だけあってこういうのを
求めていた人にとってはご褒美なのですが。
強くて冷静で鈍感じゃない主人公を求めつつ、
可愛いヒロインが正当に報われる作品を
求めている人にはお勧めな一作だと思います。

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学