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『冬蛾』柴田哲孝 感想
冬蛾冬蛾
(2011/05/27)
柴田哲孝

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殺人事件の調査を依頼され寒村を訪れた探偵が
村に隠された謎を追うハードボイルド小説。
地図にも載っていない村ならではの
怪しげで寂しい雰囲気が堪能できます。
派手な展開こそないものの、老人ばかりの
村という舞台にはそれが似合っています。

寒村を散策して少しずつ手がかりを得る流れは
RPGっぽくてちょっとワクワクしました。
隠れ里に眠る伝承や余所者を警戒する雰囲気、
素直な犬など舞台装置もしっかりしています。
主人公が酒と煙草、音楽を愛する冷静でタフな
探偵というのも安心して読める要因ですね。
ちょっと記号的過ぎる気もしますが、
所々で妙に死んだ母親を意識してるところは
独り者の寂しさを感じさせて良かったかな。
パジェロミニは一度は乗りたかった車。
今となっては中古で探すしかないですが。

ただ、オチが俗っぽいのは好みが分かれるかも。
幻想を暴いて現実に落とす流れが好きなら
問題ないですけど、予想を上回るオチを
期待すると拍子抜けしてしまうかもしれません。
一つ一つの要素がしっかり絡んでいるのですが、
逆に優等生過ぎて印象が薄くなってしまった感も。

とはいえ寒村を探検する雰囲気は味わえましたし、
いい意味で気軽に楽しめる小説だったと思います。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学