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『お台場アイランドベイビー』伊与原新 感想
お台場アイランドベイビーお台場アイランドベイビー
(2010/09/25)
伊与原 新

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第30回横溝正史ミステリ大賞受賞作。
東京で起こった大震災によって孤立した
お台場に潜む謎を巡るサスペンス小説です。
東日本大震災の半年前に出た小説ですが、
震災後に震災ネタの小説を読むとどうしても
心にモヤモヤしたものが残ってしまいますね。

それはさておき、近いうちに来ると言われる
東京大震災後の世界を予測した本として見れば
これはこれで色々と興味深いお話ではないかと。
地震による都市機能への影響から復興事業の流れ、
居場所のない多国籍難民によるコロニーの形成など、
現実でもありそうな流れで結構説得力があります。

ただ、色々と詰め込みすぎた感もありました。
主人公は今はヤクザの世話になっている元警察官で
息子を失くしていて関西弁で…と設定は多いものの、
それぞれの要素へのツッコミが浅い気がします。
選評で消極的賛成のようなコメントが多かったのも
浅く広く…的な小説だったからかもしれません。

震災で孤立したお台場という発想は新鮮ですし
文章も読みやすいよく出来た小説だと思うのですが、
ベテラン作家による連載作品のような面白さで
新人としてはちょっと勢いがなかったかなと。

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