2011/12/10

『白と黒が出会うとき』新堂冬樹 感想

白と黒が出会うとき白と黒が出会うとき
(2010/04/10)
新堂 冬樹

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病院乗っ取りをテーマにした裏社会小説。
医療ミスで父をなくして以来病院を憎んでいる男と、
患者のために尽くす女看護師のダブル主人公物です。

非情な男が純粋な女と出会って…というだけで
ある程度先は読めるのですが、男の方はともかく
女の方の結末は結構意外な方向へ飛んでいきました。
ただ、意外性はあったものの展開が急過ぎました。
女側の心境の変化から爆発するまでの流れを
もう少し丁寧にじわじわと書いて欲しかったかも。
男の方は普通のキャラ過ぎたかなぁ。

赤字経営の病院を乗っ取り金を搾り尽くすという
目の付け所も面白かったのですが、現実にありそうな
手順を追っている感じでちょっと勢い不足な印象。
策略系の題材だけにしょうがないのかもしれませんが、
新堂さんの小説に終盤の加速感を期待している私には
今回の展開は温いというか緩いというか。
いや今作も普通に考えると酷い話なんですけどね。

綺麗な新堂さんも汚い新堂さんも好きなんですけど、
今回はどこか物足りなさを感じてしまう内容でした。
でも各章タイトルの付け方は面白かったです。