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『夏姫春秋』宮城谷昌光 感想
夏姫春秋(下) (講談社文庫)夏姫春秋(下) (講談社文庫)
(1995/09/06)
宮城谷 昌光

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春秋時代の不幸を呼ぶ王女・夏姫を主人公にした一作。
宮城谷さんの作品としては珍しく女性主人公ですね。

この夏姫という美女、不幸っぷりが半端ないです。
彼女に関わった男達が次々不幸な最期を遂げるのは
呪われていると思われても仕方がないレベル。
それだけとんでもない美女ということでしょうけど、
流石にリアルでいたらちょっと引いてしまうかも。

物語としては面白いのですが、いつもと違って
最強キャラが主人公ではなく、しかも次々と男達が
自滅していくので爽快感は薄かったです。
特に夏姫の息子である子南の死に様は哀れ過ぎる。
善政を敷いてたのにあの死に様はないわー。
でもいわゆるBADエンド系の切ない雰囲気のお話が
好きな人にはたまらないかもしれません。
荘王は流石に覇王だけあって立派なものですが、
主人公的な立ち回りじゃないからなぁ。

全体的に重い雰囲気なのは夏姫という人物が
ひたすら受身で気概に乏しいのも影響しているかも。
あくまでその美しさゆえに他者に翻弄され続ける
悲哀さを書き続けた作品という感じでしょうか。
終盤の巫臣の活躍に少しだけ救われました。

テーマ:歴史小説 - ジャンル:小説・文学