2011/12/01

『本日の議題は誘拐』木宮条太郎 感想

本日の議題は誘拐本日の議題は誘拐
(2010/03/19)
木宮 条太郎

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タイトル通り、誘拐を題材にした作品です。

とある企業で会長が誘拐され、社長をはじめ
社員達はその対応に四苦八苦させられることに。
身代金の要求を突きつけられたのは会社。
すんなりと会社のお金を使うわけにもいかず、
払うか払わないか、払うとしてもいくらまで
出せるかで社内社外の考えも千差万別。
果たして誘拐の結末や如何に…。

という感じの内容なのですが、これが面白かった。
この手の小説では会社の内紛ネタが多いのですが、
今回は基本的に一意団結できているのがいいですね。
主人公は普段は冴えない中年社員なのですが、
こういう危機管理の場ではテキパキ動くのが頼もしい。
会社の上層部もそういうところ承知していて
いざという場では頼られるのも美味しい展開です。

誘拐された会長が社長の義理の父ということもあり、
身代金を出すにしても出さないにしても色々と
勘繰られてしまうという立場もなかなか絶妙。
公人として対応するか私人として対応するか、
ある意味究極の選択がしっかり描かれていました。

誘拐事件のオチはよくあるパターンでしたけど、
それがこの会社の成長に繋がっていたので良し。
主人公の結末についてのドンデン返しはお見事。
このおかげで非常に読後感のいい小説になっています。

誘拐事件における会社内のドタバタをコメディちっくに
見せながらも、内容自体は結構リアルに書かれていて
会社小説としても面白かったですし、話の展開も
重くなり過ぎないように気が使われていたと思います。
経済+誘拐小説としてお勧めな一品。