2011/11/16

『さらば雑司ヶ谷』樋口毅宏 感想

さらば雑司ヶ谷さらば雑司ヶ谷
(2009/08/22)
樋口 毅宏

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前に読んだ雑司ヶ谷R.I.P.の前作に当たります。
最終回っぽいタイトルなのに一作目なんですよね。

軽いのか重いのか分からない無茶苦茶なノリで
あっさり人が死にまくるところはR.I.P.と同じです。
ただ、R.I.P.では2chネタやバキネタなどの
パロディで勢いをつけていた面があるのですが、
こちらはパロディが少ないこともあってか、
お馬鹿小説的勢いに欠けるような気がしました。
その分、普通の小説寄りで読みやすいかもですが。

普通の小説寄りとは言っても設定はトンデモで、
権力の有り余っている宗教団体やタフ過ぎる
中国マフィアなど、そういう点に突っ込みつつも
楽しめる人以外にはお勧めしにくい内容です。
相変わらずホモシーンに力が入ってますし。

主人公の語り口は非常にテンポがいいですし
二転三転する状況も最後まで楽しめるのですが、
余りに周りが敵だらけでちょっと疲れる面もあり。
主人公自身は場当たり的な嘘と暴力塗れですし
疾走感はあっても爽快感は少ない小説です。
もっとも、いわゆる熱血主人公的な爽快さとは
無縁の泥塗れで足掻く姿は嫌いではないので
シリーズ新作が出たらまた読むと思います。