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2011/09/30

『ペリー』佐藤賢一 感想

ペリーペリー
(2011/07/29)
佐藤 賢一

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日本では最も有名な外国人の一人である
開国男・ペリーさんを主人公にした小説です。

佐藤さんといえば私の中では正義感と有能さと
俗っぽさが非常にバランスよく混じった主人公を
書かれるイメージなのですが、この小説のペリーも
その例に漏れず非常に共感できる男になっています。

日本人や黒人を対等の存在として認めながら
交渉が難航するとカッとなって武力を背景にした
脅迫をしてしまうところとか実に小物っぽい。
しかしこの負けん気の強さがあったからこそ
しつこく日本と交渉出来たことも確かなんですよね。
長所と短所が紙一重なのは実に良いです。

ペリー視点ということもあって流石にアメリカ側の
状況も詳しく書かれており、大統領選挙や中国の
太平天国の乱への対応など日本史だけでは
分からなかったことも多々あるのも面白いところ。
日本では衝撃的だったこの出来事もアメリカ側では
まったく話題にならなかったというのも衝撃的でした。

教科書上でしか知らなかった出来事を一歩踏み込んで
考えることが出来るのが歴史小説の素晴らしさですね。