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『辛い飴』田中啓文 感想
辛い飴 (永見緋太郎の事件簿) (創元推理文庫)辛い飴 (永見緋太郎の事件簿) (創元推理文庫)
(2010/11/11)
田中 啓文

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やたらと作風が広くて感心する田中啓文氏の
「日常の謎」的ジャズミステリー短編集第二段。
音楽を題材とした謎が多いこともあって専門用語も
多いのですが、特に引っかかりもなく読めました。
この手のちょっと専門的な題材を扱ったお話だと
用語の解説が長過ぎてダラダラしてしまったり、
逆に淡白過ぎて読者が置いていかれたりすることも
多いのですが、これは絶妙なバランスではないかと。

日常系だけあって殺伐とした内容ではないのですが、
その分重くならないため気楽に読むことが出来ます。
表題作である「辛い飴」のオチの付け方はお見事。
序盤の掛け合いからオチまでビシッと決まってました。
どの短編も最後の一言が気が利いてていいですね。

ちょっと音楽を齧ったことのある人なら
ジャズを聴きたくなること請け合いな作品。
自分の好きなものを自作を通じて布教するやり方は
作家ならではという感じで実にナイスだと思います。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学