2011/08/02

『楽毅』宮城谷昌光 感想

楽毅〈4〉 (新潮文庫)楽毅〈4〉 (新潮文庫)
(2002/04)
宮城谷 昌光

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戦国時代のチート武将の代表格である楽毅。
その活躍の大枠はだいたい知っていたのですが、
改めて宮城谷さんの本を一気に読んでみました。

楽毅の場合、史実の時点で既に無敵級なだけあって
本作でも基本的には弱点のない万能キャラですね。
能力的にも人格的にも欠点のない人物なので
一歩間違えればお話がつまらなくなりそうですが、
楽毅の人物描写は面白いですし物語としても
ワクワクさせられるシーンが多く最後まで楽しめました。

楽毅といえばなんといっても斉攻めが有名ですが、
この作品はそこへ至るまでの過程が丁寧に描写されていて
読み終わった後は楽毅という人物がより身近に感じられます。
読後に振り返ってみると強烈な個性のある性格では
ないのですが、万事について思考がニュートラルで
共感できる部分が多く、当たり前のことを当たり前に
できるという偉大さを感じさせられる内容でした。
有能な人物でも横死することが多かったこの時代で
天寿を全うできたのはこの性格のおかげなんでしょうね。

単純に物語として面白いだけでなく、
理想の生き方についても考えさせられる作品でした。