『相棒に手を出すな』逢坂剛 感想
![]() | 相棒に手を出すな (新潮文庫) (2010/01/28) 逢坂 剛 商品詳細を見る |
冴えない何でも屋主人公と立派な体格のヒロイン、
骨董屋の老婆がレギュラーキャラである短編集。
状況によって5つの職業を使い分ける主人公、
というとなにやらかっこよさげに見えるのですが、
実際はAVの訪問販売のようなケチな仕事ばかり。
場合のよっては詐欺にも加担しちゃったりします。
やってることはショボいのですが、裏社会の端っこで
生きるしぶとさのようなものはしっかり感じられました。
こういう立ち位置の主人公は結構好きだったり。
通常の短編集では謎解き役が決まっているのが普通。
しかしこの本の場合はヒロインがそれを担当することが
多いものの、ゲストキャラや主人公が美味しいところを
持って行くこともあったりして結構騙されました。
どいつもこいつも強かで一筋縄ではいきません。
ライトな犯罪小説という感じで後味もよく、
気楽にどんでん返しを楽しめる一冊ではないかと。
流石は逢坂さん、いい出来です。