2015/07/01

『血界戦線 オンリー・ア・ペイパームーン 』 感想

血界戦線 オンリー・ア・ペイパームーン (JUMP j BOOKS)
内藤 泰弘 秋田 禎信
集英社
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アニメも絶賛放映中の血界戦線。
その小説版が発売されたので早速読んでみました。

今回のノベライズを手がけたのは秋田禎信さん。
秋田さんといえば魔術師オーフェンが超有名ですし
つい最近も続編が完結したばかりですが、
まさか血界でもお目にかかることが出来るとは…。
トライガンもオーフェンも自分の青春でしたからね。

内容としては、ザップとレオという血界では
最もポピュラーなコンビをメインに据えて、
未来から来たザップの娘の謎を追う物語になっています。
時間旅行という大事件を扱ってはいるものの、
ライブラの面々の対応がクールなのはいつも通り。
まあ彼らは日常的に世界の危機と戦ってますからね。
ダメ人間描写に定評のある秋田さんだけあって
ザップのダメ人間っぷりもしっかり描写してくれます。

ヘルサレムズ・ロットのヘンテコな世界観は
文章で現すのは大変だったとは思いますが、
そこら辺も色々な小ネタを挟んで表現していましたね。
ほぼ純レギュラーと化してる武装警備員もいましたし。

話のオチも熱さと壮大さと下らなさをブレンドした
実に血界らしい感じがナイスでしたし、
自分としては満足度の高いノベライズでした。
この出来なら別メンバーメインの物語も見てみたいですね。
2014/10/06

『魔術士オーフェンはぐれ旅』第4部 感想

魔術士オーフェンはぐれ旅 女神未来(下)【通常版】魔術士オーフェンはぐれ旅 女神未来(下)【通常版】
(2014/05/25)
秋田禎信

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完結したので一気読みしてみました。

魔術士オーフェンはぐれ旅といえば僕らの世代にとっては
スレイヤーズと並び立つラノベ界2大巨頭でしたねー。
まさかその続編が今になって読めるとは思いませんでしたよ。
ありがたやありがたや。

舞台は第2部から二十数年後の新大陸。
オーフェンもクリーオウとの間に三人の娘を儲けて
すっかりいいおっさんとなっているのが感慨深かったですね。
年が年なので流石にそれなりに落ち着いてはいるものの、
人類最強クラスの力を持つおっさんだけあって
いざというときは自分で戦えるのがやっぱかっこいいです。
本当の家族が出来たせいか昔よりも無理してる感が少なく、
「出来るからやる」という凄みが出てきたような。
ホント、いい男になったなぁとしみじみ思いましたよ。

娘たちのキャラもぶっ飛んでて面白い。
マジクの弟子で天然ボケなラッツにエリート意識の高いエッジ、
ジト目枠のラチェットとギャルゲっぽいキャラ付けですが、
ラッツとラチェットは完全に無謀編のノリなのがアレ。
おかげで重いシーンでも気が抜ける抜ける。
オーフェンの女難は一生終わらないような気がします。
まあエッジへのフォローを見てるといい親父してますけど。

だからこそといいますか、今回のオーフェンは脇役でしたね。
もちろん脇役としては破格の活躍っぷりですけど
本当の主人公はフォルテとレティシャの息子であるマヨール君。
オーフェンはその良きアドバイス役という立ち位置です。
マヨール君は優等生でありながらある程度融通も利くという
かつてのキリランシェロの正当進化系という感じ。
捻くれなかったオーフェンとも言えるだけにハイスペックです。
妹を追いかけるというのも対比になっているのかな。

そんなマヨールの婚約者であるイシリーンもいい女。
オーフェンシリーズの女性ってダメ女ばかりだったんですけど、
このイシリーンに関しては本当に文句の付けようがない。
基本的に荒っぽいんですけどサッパリしてますし、
何よりマヨールのフォロー役としての自覚が凄いです。
これだけ男を育ててくれる女性はいませんて…。

お馴染みのキャラが大量に出てくるのも良かったです。
クリーオウはすっかりいいお母さんになっちゃってまあ。
第2部エピローグで落ち着きのある女性になっていましたけど、
子育てを通じてますます磨きがかかった感じです。
コギーはオーフェンの数少ないまともな友人という位置。
無謀編ではヒロインでしたけどこういう関係もありですね。
ドロシー、ボニーはそれなりの社会的地位に就きつつ、
オーフェンとお互い利用し利用される関係というのが面白い。
大学時代の謎の人脈に通じる胡散臭さのある関係です。

コルゴンはなんだかんだでチャイルドマン教室組の中で
一番オーフェンとの付き合いが長くなってるのが皮肉ですな。
この人の天然悪役っぷりはかなり好きなんですよね。
あと、マジクのくたびれたおっさんぷりは凄くツボ。
世間からは歩く殺戮兵器扱いされてるのに魔王の娘たちからは
粗大ゴミ扱いされているところが微笑ましいというか。
それでいてオーフェンが一番信頼しているのは
マジクという20年来の関係には腐女子じゃなくても萌えます。
いいなぁ、こういう無条件で信頼し合える関係、いいなぁ。
おっさん同士、長年の積み重ねがあるからこそですね。
あとマジクはラッツとくっつけばいいと思う。
というかそうならないと一生独身でしょうコイツは。

なんかキャラ語りだけで終わっちゃいましたけど
話自体も政治劇ありアクションありギャグありという感じで
要所要所で20年という年月の重さを感じさせつつも
スカッと楽しめるエンタメだったと思います。
キャラの火力が上がったせいで戦闘も派手になりましたし、
青年期の内省的な描写の多かった2部と比べると
おっさん同士の権力闘争的な話が重視されてたのも大きい。
2部は2部で好きでしたけど4部の方が万人向けかもですね。

そんな感じで久々のオーフェンシリーズ、
十二分に堪能させて頂きました。
自分が年を取ってるだけキャラたちも年を取っているので
なんだか余計に物語に感情移入してしまったような。
個人的には、ED後の更に数十年後の話って大好きなので
今後もこういう作品がどんどん増えて言って欲しいですね。
もう一冊、短編集が出るらしいのでそちらも楽しみです。
2013/09/22

『B.A.D. 11 繭墨は紅い花を散らす』 感想

B.A.D. 11 繭墨は紅い花を散らす (ファミ通文庫)B.A.D. 11 繭墨は紅い花を散らす (ファミ通文庫)
(2013/08/30)
綾里けいし

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終わりに迫りつつあるB.A.D.の11巻目。

今回は準レギュラーだった綾がついに退場。
設定的には消えそうなキャラではあったものの、
ここ最近のほのぼのっぷりを見ていると
もしかして生存か…と思っていたのですが、
やはりそんな甘い結末は許されませんでした。

そんなお通夜ムード漂う一冊なのに
途中の神関連のドタバタは無駄に明るい。
あさとや繭さんが唯一壊れるネタだからなぁ。
しかしこの「神」はここまで引っ張るところを
考えるとラストでも意外な活躍を見せそう。
意外にも初代を倒すのはこいつか?

しかし七海さん。
登場時にはヤンデレロリータっぽかったのに
最近はすっかりよく出来た美少女ですね。
あさとを説教するシーンは痺れましたよ。
こうなると序盤のアレやソレは
フェイクだったのかと思いたくなりますが、
このシリーズでそんな油断は禁物でしょうね。
そろそろガツンと落としてくるか?

予言者御影は初対面での印象通り小者で、
無様な悪足掻きを見せた挙句あっさり退場。
そして小鳥も所詮は猫の劣化バージョンからの
成長を見せることも出来ずにこれまた退場。
夕闇戸羽の結末は次回へ持ち越しか。

ついに人を殺してしまった小田切君ですが、
今までこの人の優しさが事態をグダグダに
していた面もあるのでむしろ良かったんじゃ。
まあ当人にとっては一大事でしょうけど。
そして白雪さんは相変わらずの正妻っぷり。
このまま正妻の座をキープできるか?
この人が死んだらBADエンドまったなしですよ。
2013/08/13

『生徒会の祝日 碧陽学園生徒会黙示録8』 感想

生徒会の祝日    碧陽学園生徒会黙示録8 (富士見ファンタジア文庫)生徒会の祝日 碧陽学園生徒会黙示録8 (富士見ファンタジア文庫)
(2013/07/20)
葵 せきな

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「生徒会の一存」シリーズの最終巻、
「生徒会の祝日」を読んでみた感想です。
本編が終わってからも短編が出たり
新生徒会が出たりしていた本シリーズも
これで本当に完結です……やっぱ寂しい。

内容としてはいつものノリ。
楽しい奴らによる楽しいドタバタ劇ですね。

会長と知弦さんの大学生活や椎名姉妹の
転校先での生活が分かったのは嬉しい。
楽しくやっているのは分かってましたけど
実際見せられるとやっぱりホッとします。

続生徒会の強引過ぎる展開には笑いました。
停電からの誤解の嵐は無茶苦茶なんですが、
この無茶苦茶さが生徒会らしさでもある。
コンビニ扱いされる真冬ちゃんが面白過ぎ。
知弦さんも深夏ほどではないとはいえ
十分に人外レベルの戦闘力ですよ。
そして完全にとばっちりで〆られる杉崎。
うむ。最後までいつも通りで安心した!

巡との関係も一応決着か。
いやまあこのまま行くというのが
決着かどうか微妙なところなのですが、
こういうオチも生徒会らしさということで。
全員にこれやってる杉崎マジハーレム王。

そして皆期待していた新生徒会VS旧生徒会。
うん、やっぱりキャラのイカレっぷりでは
新生徒会の方がいっちゃってますわ。
水無瀬はまだ普通(?)なんですけど、
不幸満載、オタニート、ヤンデレの三人がね。
ヤンデレ火神は攻略されてるんだけど
攻略失敗みたいに扱われてるのには笑った。
まあストーキングされてるからね…。
日守が知弦さんに愛でられてるのは和む。
見た目は最強だからな…見た目は。

最後は正妻飛鳥が来るのかと思ってたら
まさかのめいくが持っていったというオチ。
うむむ、確かにめいくは性格もまともだし
杉崎にも優しいし文句なしなんだよなー。
一歩間違えれば火神辺りが鮮血の結末に
持って行きそうで不安になりますけど!

ともあれ、これにて生徒会シリーズ完結。
正直、最初は果てしなく続くパロディと
内容のない会話にげんなりしてたんですけど、
いつの間にか大好きになった不思議な作品。
これは自分が「つまらない人間」から
「楽しめる人間」に変わったということか。
こういう不思議な楽しみを与えてくれた
作者様、絵師様には心から感謝したいです。
ありがとうございました。
2013/05/06

『B.A.D. 10 繭墨は夢と現の境にたたずむ』 感想

B.A.D. 10 繭墨は夢と現の境にたたずむ (ファミ通文庫)B.A.D. 10 繭墨は夢と現の境にたたずむ (ファミ通文庫)
(2013/01/30)
綾里けいし

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B.A.D.10巻目の感想。

久々津と舞姫、雄介の一件が片付き
平穏な日常に戻った繭墨霊能探偵事務所。
そこへ久し振りに普通の依頼が訪れることに。

水槽に浮かぶ手の謎。
しかし繭さんが詰まらないと言った通り、
原因は異常者によるただの猟奇殺人でした。
これはこれで怪異と言えば怪異なんですけど、
いつもの怪異と比べると捻りのないオチ。
繭さんが興味なさげなのも分かります。

序盤からちょくちょく挿入される幻覚。
この時点では腕を移植されたことから来る
代償なのかと思っていたのですが…。

お次は土を掘る音のお話。
仲間うちでの枕投げにはほのぼのしました。
BADでは数少ない和み系名シーンでしょう。
しかし七海ちゃん、いい人っぽいですけど
家族ネタとか不穏な地雷が潜んでますね。
ここら辺の決着はちゃんと着くんだろうか。

懐かしい猫の話。
ここまで来ると夢と現の境界がますます曖昧に。
読んでいてクラクラしてきますね。
ここまで丁寧にやられると夢落ちも面白い。
最後に電話で断るという流れも良かったです。

そして最後は総集編。
今までの過去を回想しつつ現在に追いついて
目を覚ますという構成は上手く作ってるなぁ。
9巻で繭さんも騙されているのかと思ったら
そのこと自体も夢だったというオチでした。
流石は繭さん、これ以上なく頼れる上司やで。
逆に零代様はあんまり怖さを感じないなぁ。
キャラとしては個人の人格が見えている
あさとの方が深みがあって面白いんですよね。
とはいえ、本番はこれから。
今後の活躍に期待したいところです。