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2019/07/18

『しゃらくせえ 鼠小僧伝』谷津矢車 感想

しゃらくせえ 鼠小僧伝
谷津 矢車
幻冬舎 (2016-05-26)
売り上げランキング: 846,043

江戸時代に活躍した盗賊、鼠小僧の物語。

鼠小僧といえば義賊として有名ですが、
この作品の鼠小僧は小悪党として描かれています。
極悪人というわけではないのですが、
お金がなくなればあっさり盗みに走りますし、
自分の手で人を殺すのは躊躇うものの、
人殺しへの加担にはそれほど抵抗がない。
義賊扱いされるようになったのも
たまたまお金をばら撒いてしまっただけというオチ。

そんな小悪党として描かれている鼠小僧ですが、
その弱さに共感してしまうのは自分も弱いからか。
運悪く職を失い収入を絶たれた場合、
盗みぐらいなら…と思う人はいるでしょうし、
だからこそ当時鼠小僧が持ち上げられたのでしょう。

とはいえ所詮は悪人なので処刑されるわけですが、
最後の最後で盗みによって繋がった人たちが
差し入れをしてくれたこともあって、
読後感は思ったよりも爽やかでした。
これが流されるままに盗賊になって皆から嫌われて
終わりだったら流石に後味悪過ぎでした。

どんな理由があっても犯罪者に慈悲はないという
考え方の人には合わない作品ですが、
例え犯罪者であろうと一人の人間だと思える人なら
また違った想いで楽しめる作品ではないでしょうか。
2019/07/11

『奪うは我なり 朝倉義景』吉川永青 感想

奪うは我なり 朝倉義景
吉川永青
KADOKAWA (2018-04-27)
売り上げランキング: 172,302

越前の雄である朝倉義景を主人公とした歴史小説。

本作は朝倉義景という珍しい人物を扱っていますが、
人物描写の方もなかなか攻めた描写をしています。
この作品の義景はコミュ障の根暗キャラ。
人前ですぐ妄想に入るわ、独り言が多いわ、
突然爆笑するわと、とにかく陰湿な人間です。
主人公にこういうキャラ付けしてくるのは面白い。

ただ、そんな義景にとっての唯一武器と言えるのが
周到に準備し他人を罠にはめる謀略の才能。
その才能を使って信長包囲網を形成していくのですが、
信長包囲網の黒幕が義景という発想は新鮮でした。
気位だけ高くて朝倉を利用しようとする足利義昭を
信長に押し付け、信長と潰し合ったところで
漁夫の利を得るという狙いは悪くない。

ただ、根が根性なしのネクラということもあって、
一手外されるとあっという間に崩れるんですよね。
義昭が信玄を頼っていた描写はよくありますが、
それはこの作品の義景も同じで、震源が死んだ途端
打つ手がなくなってしまったという…。
こういう策に溺れる人間は普通は敵側に多いのですが、
あえて主人公に持ってきたのが本作の面白いところ。

そんな小物な義景が最後の最後で人の優しさに触れ
癒される姿には不覚にもホロリと来ました。
そしてこういう流れだと朝倉景鏡がクソ野郎になるのは
分かり切っているのですが、分かっていても許せぬ。
最後にもう一捻り、景鏡の死に様の掘り下げまであれば
より読後感がスッキリしたかもしれませんね。

とはいえ、朝倉義景という珍しい題材に対して
面白い掘り下げ方をした物語として楽しめる作品でした。
2019/07/09

『特捜投資家』永瀬隼介 感想

特捜投資家
特捜投資家
posted with amazlet at 19.07.08
永瀬 隼介
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 307,885

謎の凄腕投資家と落ち目のフリーライターが手を組み
とあるベンチャー企業に潜む闇を暴く経済小説。

基本的な話の筋は面白かったです。
最初の過去話はよくある悲劇ではあるものの、
金の亡者を作る理由としては納得できますし、
状況が二転三転しながらも少しずつ真実が
暴かれていく展開にはワクワクさせられました。
新型電池で革命を起こすという、今の時代にやれば
いかにも資金が集まりそうな詐欺を扱っているのも良い。

ただ、ご都合主義な部分も結構感じられました。
もちろんどんな話にもご都合主義はあるものですが、
この作品でそれが鼻についてしまった原因は
主人公である記者が有能に見えなかったのが大きいです。

経済初心者の読者に説明するためかもしれませんが、
ニュースで説明されているような基本用語も
知らないというのは流石に記者として勉強不足な気が。
他にも取材対象の科学者にあっさり騙されて
半グレ集団に追い詰められたりと、
凄腕記者にしては隙が多過ぎるように感じられました。

そんな感じで主人公の扱いは引っかかるのですが、
総合的には面白さが勝った作品でした。
コンビ物としてシリーズ化しそうな作品ですし、
もし次が出たら読んでみたいと思います。
2019/07/03

『宿星のガールフレンド3』体験版 感想

公式はこちら。
mirai『宿星のガールフレンド2』12月21日発売!
miraiの新作にしてシリーズ物の3作目、
宿星のガールフレンド3を体験してみました。

以前から言われていたように今回のヒロインは鹿子。
一応シリーズ物であるとはいえ前作前々作との
ストーリー上の繋がりは薄く、これまでのヒロインとも
ほとんど関係がない状態から始まっています。
ハーレムルートを潰せるので話はシンプルになるのですが、
あれだけ仲良くなった娘たちに赤の他人扱いされるのは
ちょっと寂しさも感じてしまったり。

その一方で新たな関係をゼロから作る面白さもある。
赤の他人でちょっと素っ気ない状態の鹿子に対して、
主人公が地味なアピールで仲良くなっていく流れは良し。
鹿子が打ち解けていく様子も初々しくて、
ほのぼの同棲物としてなかなか良い雰囲気になっています。
まあその初々しさが最後のエロ本バレで
どう崩れていくのかというところが楽しみなのですが。

ただ個人的には、やはり夕里との同棲状態から
鹿子との同棲状態にスイッチして欲しかったですね。
宿ガル1の感想でも書いたような気がしますが、
夕里と同棲していてそれに鹿子が嫉妬している状態から
どうやって鹿子と同棲に持っていくか楽しみだったので、
そこがなくなってしまったのはちょっと残念です。
まあ、そこらへんはマーヤ編の作りを見た時点で
諦めてはいたのですが…やっぱり惜しい。


まとめ。
正直なところ、作品としての勢いは
ヒロインの勢いがあった宿ガル1が一番だったかな?
マーヤも鹿子も可愛いんですけど、
今のところは夕里が一番好きなので
そこがそのまま作品評価に繋がっています。
とはいえ決して面白くないわけではないですし、
今作も買う予定なので、体験版以降でもう一段階、
底力を見せてくれることを期待したいですね。
2019/06/30

『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?2』体験版 感想

公式はこちら
2018年の迷作として名高いぬきたし。
その続編が出るとのことなので体験してみました。

まず言っておきますが、自分はぬきたし1は未プレイ。
前作は体験版を触ってみて楽しそうだとは思ったものの、
全体的にちょっとテンションが高過ぎたことや
好みのヒロインがいなかったことでスルーしたんですよね。
文乃が最初から推されていれば買ったでしょうけど。

そんな感じで前作知識は多少ある程度という状態で
今回の体験版を触ってみたのですが…
いやー、今回は前作以上、予想以上に楽しめました。

まず桐香のキャラがツボというのがでかい。
おっとりヘッポコキャラのお世話をするという展開は
自分の性癖をしまくってくれるんですよね。
障碍者レベルのポンコツ兼ゲロインということで
好き嫌いは分かれそうですが、自分はめっちゃ好きです。
礼と郁子の立ち位置もいい味出してる。

あと、前作とは逆の立場になるというシチュも好き。
基本的に立場が変わることで見えてくるものも
変わってくるというシチュが好きなのですが、
この作品では前作をプレイしていなくても
主人公がそういう立場の違いを実感してくれるので
立場交代シチュの雰囲気を楽しみやすかったです。

モブの高過ぎるテンションは相変わらずで
そこはちょっと苦手なのですが、
今回はそこを補って余りある魅力がありました。
前作の評判は周囲の反応でだいたい分かっていますし、
ついに自分もぬきたしに手を出す時が来たのか…?


まとめ。
そんな感じで購入する確率は高め。
前作と比べると今回はヒロイン、主人公の立ち位置が
私の好みなのでかなり心惹かれています。
買うなら1とのセットを買いそうですが…。

ただ、7月は宿ガル3やASaの新作もありますし、
ぬきたし1+2を買うと実質新作が4本という状態に…。
一気に買うと並行プレイしてしまって
全部終わらねぇ状態になりそうなのが悩むところですね。