2017/08/19

企画『好きなエロゲを3つ挙げろ』

面白い企画に誘って頂いたので参加してみました。

『好きなエロゲを3つ挙げろ』

エロゲ歴が20年に近付きつつある割には
プレイ本数が少なめな自分ですが、
たまには昔を思い起こしてみるのも悪くないでしょう。
これが上位3作品だったら頭が痛くなるところですけど、
今回は好きな作品3つという緩めの縛りだったので助かった。
そんなわけで今回自分が選ぶにあたって重視したのは
好きな点について書きやすいかという点。
その結果、

Fate/stay night
ドラクリウス
恋する少女と想いのキセキ~Poupee de souhaits~


以上の3作品でいくことになりました。
いつも通りシンプルにサラッと語るつもりですが、
記事の性質上ネタバレが多めなので気にする方はご注意を。


■Fate/stay night
はい、言わずと知れた超人気作品であり、
エロゲーマーでなくても知っているアレでございます。
10年以上昔の作品でありながら今でも派生作品が出続け、
複数回のアニメ化、ソシャゲも大人気というその成功っぷりは
もはやエロゲ界のガンダムと言っても過言ではない(ないか?

この作品の好きな部分はルート構成ですね。
エロゲではルートロックのある作品は珍しくないですし、
ルートごとに明かされていく謎や、反転する敵味方関係というのは
他の作品でもやっていることですが、この作品のそれは特に好き。
セイバーやライダーの各ルートでの扱いの違いは、
燃えゲーのキャラとしては理想的なものだったと思いますし、
士郎の思想の変遷は3ルートあってこそ楽しめるものでしょう。
ちなみに本作で一番燃えたのはVSセイバーオルタ戦。
この微妙に歪んだ性癖に共感してくれる方もいるはず(多分
ちなみに最近FGOで丸くなってるオルタもそれはそれで好きです。

ループ物でなく3ルートが独立していたのも良かったです。
個人的には全てのルートが一つに収束するよりも、
お互いが決して交わらずに拡散していく作りの方が好き。
それぞれのルートで取り返しの付かない喪失があればより良し。
ループ物もよくプレイしますしプレイ中は楽しんでいるのですが、
やっぱエロゲは複数のルートが並立している方が好きなのです。


■ドラクリウス
さて、お次はエロゲーではよくある吸血鬼物。
流石にFateと比べるとマイナーではあるものの、
古参のエロゲーマーなら知ってる人はそこそこいるレベルかな?
ライターはグリザイアシリーズで有名な藤崎竜太さん。
藤崎さんのテキストはエロゲではトップレベルに好みなのですが、
この方の作品でどれを推すかとなるとドラクリウスを取ります。

この作品で好きな部分は、

ベルチェママーーーーーーッ!!!

はい、ロリママ吸血鬼であるベルチェさんでございます。
個人的には母性を感じさせるロリキャラって大好物なのですが、
ベルチェの良いところは父の使用人ってところなんですよね。
単に母性があるだけでなく立場的にも継母に近いですし、
ベルチェ自身も最初は主人公のことを愛する人の忘れ形見として
見ているので名実ともに母に相応しい存在と言えるのでしょう。
もちろんロリに母性があるだけでも萌えるのですが、
そこに父親との関係が混ざることでより甘味が増すのです。伝われ。

ベルチェに対してリカ、リアンという二大ヒロインの
凄まじい物分かりの悪さもお互いの魅力を引き立てていました。
二人がおバカだからこそベルチェの落ち着きが光りますし、
この二人にしても最初がアレ過ぎたことによって
終盤のかっこ良さの衝撃がブーストされているとも言えます。
総じて女性陣の描写にいちいちツボをくすぐられる点が多いので
今でもちょくちょく起動している作品です。


■恋する少女と想いのキセキ~Poupee de souhaits~
多分今回選んだ3作の中ではぶっちぎりでマイナーでしょうね。
ライターは某ライターさんの変名とも言われる近江谷宥さん。
多産であることもあって作品の出来が安定しない御方ですが、
直近の『初情スプリンクル』は良いラブコメ作品でした。

しかし今回挙げた「恋する(ry」はシリアス寄りの作品。
決して万人向けとは言いがたいこの作品のどこがよかったのか。
それはメインヒロインであるトワのルートの終盤の流れです。
最初はこれについて詳しく書こうと思っていたのですが
ごちゃごちゃしてしまったので端折って言わせていただくと、
要は主人公とヒロイン(人形)だけで隠遁する結末なんですよ。

これだけならそんなに珍しくないのですが、
ヒロインが主人公との心中願望を持っていたり
主人公がそれを全面的に受け入れてたり
他のキャラからそんな関係を気持ち悪いと責められたりと、
ラストに至る過程もなかなか黒く重く染まっていたのがナイス。

あと、エピローグも綺麗でした。
数年後には人形に宿ったヒロインの精神が経年劣化していて
かつての思い出をほとんど忘れてしまっているものの、
主人公への愛情だけは覚えているシーンは胸に刺さります。
こういう記憶が消えても想いだけ残ってるシチュはホント好き。
そんな感じで決して派手な作品ではないのですが、
物語の終盤に私好みの展開が群れを成して入ってきた結果、
好きな作品と言われてパッと思い浮かんでしまうぐらい
記憶に残っているという珍しいタイプの作品なのです。

以上で今回の企画記事は終了。
企画してくれたぐぬぬさん、誘ってくれたゆず茶さんには
この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございましたー。

以下、今回の企画に参加している皆様の記事を貼ります。
それなんてえrg
そこはかとなくエロゲを綴る
気がつけば複数買い。
すときゃすてぃくす
悩むなら はじめてしまおう エロゲーマー
私情主義
Reverie Note -Egoistic-
御巫祭り(改)
Ossan Gamer Diary
飢えた鼠はエロゲを噛みぬ
おいしいデザートは最後に
よい子わるい子ふつうの子 2
立ち寄らば大樹の陰
買わぬ買わんの右往左往は浮き立つほどに浮き立ちて明け暮れないの物語
エロゲ価格相場を見守るブログ
ビビろぐ
2017/08/15

『初情スプリンクル』 感想

公式はこちら

安定して新作を出し続けているWhirlpoolの最新作、
『初情スプリンクル』の感想となります。
実は1週間ほど前にコンプしていたのですが、
性質の悪い風邪をこじらせているせいでこのタイミングに。
皆様も風邪にはお気を付けくださいませ。

さて、感想です。
エロゲーでは定番の淫魔能力に目覚めた主人公が
魔女を巡るドタバタに巻き込まれていくという本作。
作品のノリとしてはいつも通りのワルプルに近いのですが、
ラブコメとしてのバランスの良さは歴代屈指だったと思います。

これまでのワルプル作品…というか近江谷さんの作品は
前半はノリのいいラブコメが繰り広げられながらも
後半のシリアスで失速してしまうことが多かったのですが、
今回はその後半の扱いが上手かったことが好印象の原因ですね。

この手の作品でのシリアスの欠点としては、
作中では真面目な話が展開されていくにつれて
プレイヤーが冷めていってしまうというのがありますが、
今回は真面目な設定を見せつつも最後までドタバタコメディを
維持しているのでプレイしていて安心して楽しめました。

個人的にはこういう、コメディやイチャラブを維持したまま
話の規模大きくして盛り上げるパターンが好きなのですが、
どうにも深刻ぶってしまう作品が多いのが困り物です。
シリアスが似合う作品ならいいんですけど。

ヒロインが全員可愛いのも良かったですね。
どの娘もなかなかのめんどくささを持ちつつ
主人公との関係を少しずつ深めていく姿が描かれていました。
個人的に見ていて一番楽しかったのは羽月かな。
やたらと偉そうに見えて責任感の強さの人一倍ですし、
何気に作中では一番の苦労人だと思います。
強気と弱気を繰り返してめんどくさいのかと思いきや、
扱いさえ覚えてしまえばただただ可愛くなるのも素晴らしい。
個別ルートのネタもいい意味でしょーもなくてツボでした。
特に質問と分身ではニヤニヤしっぱなしでしたよ。


まとめ。
ドタバタコメディとしてはなかなか完成度が高い作品。
ヒロインそれぞれの個性をいい方向に掘り下げていますし、
ストーリー後半になってもドタバタコメディの形を崩さず
シリアスをほどよく綺麗に制御して着地させています。

体験版の記事でも購入した際の記事でも
後半の展開には期待していないと書きましたけど、
今回はいい意味で予想を裏切ってくれました。
こういう最初から最後までノリが変わらない作品だと
体験版が気に入った人にオススメしやすいです。
次回作もこういう方向でお願いしたい。
2017/08/11

『悪名残すとも』吉川永青 感想

悪名残すとも
悪名残すとも
posted with amazlet at 17.08.10
吉川永青
KADOKAWA/角川書店 (2015-12-25)
売り上げランキング: 183,453

陶晴賢といえば主君に謀反を起こした挙句に
毛利元就という超有名人に討たれてしまったせいで
どうしても噛ませ犬という印象が強いのですが、
この本ではそんな晴賢をしっかり主人公として描いています。

この本の晴賢は主君・大内義隆を敬愛する一人の熱血漢。
かつて衆道の関係にあった義隆を盛り立てるべく、
若輩ながらも必死に大内家を差配していきます。
しかし息子を失った大内義隆が政務を放棄したせいで
家中では文治派と武断派が内戦勃発寸前になり、
それを止めるため愛する主君を除く決断を迫られることに。

ここに至るまでに何とか穏便に済まそうとする
晴賢の苦労描写には力が入っているせいで
晴賢へ自然に感情移入できるのは良かったですね。
何かと悪人扱いされる晴賢ですが、
実際、義隆の行動によって国が乱れていたのは確かですし、
彼の謀反自体はむしろ正しかったと言えなくもない。

この物語のもう一人の主人公である毛利元就。
後に晴賢を討つことになる彼が、
最初は晴賢の才能に惚れ込んでいたという設定は面白い。
元就が晴賢に期待したのは大内という古い器を
破壊することであり、大内を維持しようとする晴賢に
失望して自分で立つことを決意する流れも面白いです。
作中では年寄り側である元就が最も先進的な
下剋上的思考を持っていたというのは皮肉ですね。

結局、晴賢は自らが頂点に立つこともできず、
大内義長を旗頭にしても大内家中を統制できなかったですし
器がその程度の大きさだったと言われればそれまでですが、
そんな晴賢が何とか主君と和解しよう、
何とか大内家だけでも残そうと足掻く姿には
つい応援したくなるような懸命さが感じられました。
もともと辞世の句が好きな武将だったので、
今回魅力的な描写がされてたのはとても嬉しかったです。
2017/08/05

スズキ・スイフトRSt 試乗感想(2回目)

スズキの旗艦車種であるスイフト。
発売直後に短距離試乗した際の感想を書いたのですが、
今回は改めて200kmオーバーの試乗をする機会があったので
もう一度、感想を書いてみようと思います。

今回のグレードも前回と同じくターボモデルのRSt。
しかし走行距離は3000kmと前回よりだいぶ増えています。
機械部品もタイヤも硬さが取れてきた頃合ですね。

まずは良いところから並べていきましょう。
前回は気温が低いせいかパーツが馴染んでなかったせいか
全体的にヒョコヒョコした動きを感じたのですが、
今回は真夏ということもあってかしなやかな印象でした。
特に段差を越えた際のバタつきなどはだいぶ軽減されたかと。
シートが良いせいか、200km程度だと疲労も少なかったです。
それでも乗り心地は先代や先々代の方が好きですけどね。

3気筒特有の振動は今回もあまり気になりませんでした。
今回は高速道路も100kmほど走って急加速も試したのですが、
パワーもエンジン音も1.5NAレベルと互角に感じます。
燃費に関しては個人的には文句なしレベル。
メーター読みですが、流れのいい国道では23km/L、
高速で追い越しをそこそこ使っても20km/Lぐらいかな。
満タン法ではちょい下がるでしょうけど、
残量計がなかなか減らないのには驚きました。

逆に思ってたより悪かったのはロードノイズですね。
路面状態がいいと気にならないのですが、
路面状態が悪い高速だと途端に頭が痛くなる。
しかも後席はそれ以上に悪いからどうしようもないです。
これはエコピアが悪さをしているのも確かでしょうけど、
NVH対策の甘さも影響していると思います。
とにかく頭付近で騒音が篭りまくる。
リアからの騒音はハッチバックの宿命ではあるのですが、
新型スイフトは他の車と比べても酷いと思います。

ただこの騒音、プチ試乗したRSHVやMLだと
それほど気にならなかった記憶があります。
五月蝿いんですけど篭らずにスッと抜けるというか。
もしかしたらRSt用に増加したという
ダッシュパネル用の遮音材が悪さしているのかも?
自分もかつてパネル裏に遮音材詰め込みすぎたせいで
もわもわした音が鳴り続ける室内になったことがありますが、
なんとなーくあのときの不快音に近いような気がします。
自分で買うならノンターボの方がいいのかもしんない


まとめ。
騒音の凄さ分かったのが今回の最大の収穫でした。
乗り味や燃費は好印象だったのですが
騒音については割と致命的なレベルで合わないので困る。
五月蝿くてもあまり気にならない音質もあるのですが、
今回の場合は五月蝿くて気になる音質だから厳しいです。
もし購入したらまずタイヤを変えて後ろの内張りを剥がして
吸音材を詰め込むぐらいはやる必要があるかも。
まーそれはそれで楽しい作業ですけど。

スイフト自体は愛着のある車ではあるので、
ストロングHVや近々出るスポーツも試乗してみて
購入候補から外すか決めたいと思います。
2017/08/03

『応仁秘譚抄』岡田秀文 感想

応仁秘譚抄 (光文社文庫)
光文社 (2015-02-27)
売り上げランキング: 52,489

応仁の大乱を4人の人物の視点から見た短編集。

最初の主人公は足利義視。
この人が兄である足利義政から将軍職を譲られると言われ
ホイホイ乗ってしまったのが全ての始まりですが、
実際自分がこの誘いに乗らないかといわれるととても難しい。
その後も兄や細川勝元の都合に振り回され
迷走してると思われても仕方のない行動を取るわけですが、
この話では孤立無援な義視の心情描写が上手いせいで
義視の不安定な行動にいちいち共感してしまいました。

次の主人公である日野富子でもそれは同じ。
将軍の妻として、将軍の母として必死に頑張りながらも
決して報われない富子の姿はただただ哀れでした。
汚い手段をいくつも使っているとはいえ、
こういう真っ直ぐな人間は嫌いにはなれません。
しかし息子の義尚のために応仁の乱を起こしておきながら
その義尚が早死にしてしまうんだから歴史は面白い。

3人目の主人公は細川勝元。
義視視点では頼りにならない後見者だった彼ですが、
義政や富子、山名宗全といった妖怪相手に
沈着冷静に一手一手を打っていく…とみせかけて
予想外の出来事が起こりまくる状況には同情できます。
応仁の乱があまりに長引き過ぎて乱の後半では
ひたすら早期終結させようと焦っている姿にも共感できる。
乱を早期に終結させようとする方針は
義視と同じなのにまったく協力できないのも面白かったです。

ただ、最後の義政の物語は微妙でした。
足利幕府を破壊するためにわざと政務を投げ出し
応仁の乱を長引かせたという真相は強引過ぎた感があります。
これまでの3人が感情的な行動を見せていたのに対して
義政にはそれがなく、黒幕役のロボットにしか見えなかった。
この義政を自らを殺して目的を達成した傑物と見るか、
ただの性格の悪い外道と見るかは難しいところでしょうね。

個人的には後味の悪い結末でしたけど、
応仁の乱というグダグダな事件を人間として共感しやすい
感情の流れを中心に上手くまとめた一冊だと思います。
義政がもう少し人間的な感情から黒幕をやっていてくれれば
文句なしだったのでそこだけが惜しいですね。